影法師(百田尚樹/講談社)

影法師

影法師

 下級武士から一代で家老にまで出世した主人公が、刎頚の契りを結んだ友を探す。子供時代に遡り描くことによりあらためてその絆の深さを示そうとしているよう。なぜ時代小説かと思ったが、時代小説でなくては描けない「男同士の友情」に挑戦したいためではないかと推測する。

 いくらなんでもそこまでかっこいい男はおらんやろ、とか言ってしまうと、この作者の小説は読めなくなる。