恋する空港―あぽやん〈2〉(新野剛志/文藝春秋)

恋する空港 あぽやん2

恋する空港 あぽやん2

 空港を舞台にした連作短編。ツアー客を送り出す業務を担当する主人公だが、そこでは出会いも別れも出産さえもある。親会社である航空会社の経営難や介護の問題、ストーカー等社会問題まで、空港の中で描いていく。

 個人的には好感を持った前編から、若干の登場人物の入替があるが、グアム帰りの新人が全編を通じてよく効いている。中間管理職の苦労も垣間見れるが、今回の主題はタイトルにある通り「恋」。素直に恋愛ものでないところも良い。