オリクスとクレイク(マーガレット・アトウッド/早川書房)

オリクスとクレイク

オリクスとクレイク

 近未来を描いた進みすぎた科学を揶揄するような物語。遺伝子交換に手を出した人類は、一部で最高の繁栄を迎えた後滅亡してしまう。その後に残ったスノーマンが昔を思い出す形でお話が語られていく。
 著者のアトウッドは、もう結構高齢だと思うのだけど、実に意欲的な実験作を書く。おまけに文章がとてもうまいので、やや妙なトーンのお話ながら、読み進めてしまう。続編も楽しみ。